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徒然のブログ

つれづれの思いなどを

トレイ、パックを減らす対面販売で量り売りと新聞紙使い

 六月から新潟市はゴミの出し方がちょっと変わるんだ。
 分別の種類が三倍くらいになったよ。
 そして燃えるゴミと燃えないゴミと粗大ゴミが、有料になった。
 これ自体は良い事だと思うし、世の中に出されるゴミが、少なくなるだろな、と思ってね。

 そして僕は、スーパーで肉や魚を売るのに入れてるパックのゴミが、世の中にいっぱいあって、無駄だなあ、と思ってるんだ。
 単にかさばるから、あのパックが目立つのかもしれないけどね。

 僕が子供の頃、肉屋さんに買い物に行くと、僕が豚の小間切れ200グラムくださいと言うと、肉屋のおばちゃんはカウンターの上に置いてある計りに肉を乗せて、針が200グラムのちょっとだけ余計になるようにしてから、竹の…何て言うんだっけ、あの肉を入れる薄い竹の皮みたいなのに入れてくれて、それを新聞紙にくるんで渡してくれたね。

 魚屋さんに行くと、いや魚屋さんは自動車に乗って来たり自転車に乗ってきたりして、家に売りに来てくれたんだよね。
 玄関の前に何種類も魚が入った箱を広げて、母さんが、これとこれを…と言ったのを魚屋さんは、魚丸ごとを新聞紙にくるんで渡してくれたんだよね。
 あの頃は新聞紙が、今のトレイとかパックとかだったんだな。

 そういうパック使わずに量り売りをするためには、対面販売しなきゃならないろうけど(いや今思ったんだけど、肉や魚の自動販売機も、出来ないもんだろかな、と今思ったけど)、ただ肉や魚を計りに乗せて売るってことは単純作業だから、パート代で働いてくれる人にそういう仕事してもらって、あの石油から作るトレイやパックを、無くすること出来ないもんかな、と思いました。
 そうならば、そういう仕事が生まれて、そういう仕事に就く人も必要になるかもしれないからさ。
 ハハ、いやただの思いつきらね。

いつか思い出せるぐらい美味しい鰯

 イワシを焼いて食べたよ。
 今日はうまいぐあいに風が吹いてて、
 煙も窓から上手に抜けてった。

 僕はブログで、
 どこで何を食べたなんていう受動的なことは
 書かないことにしてるけど、

 自分で何かを作ったこと、
 それが死ぬときに思い出せるぐらい美味しかったこと、
 自分のために、
 忘れないために、書き残したいなと、
 思って。

 おいしかったあ。

魚の味、魚の煙

 きょう魚を焼いて食べました。
 僕は今まで魚を焼いたのは、たったの三回で、このアパートでは二回目だ。
 魚を焼いた最初の一回目は、もうニ十年も前かな。
 やっぱりアパートのキッチンで、ガスコンロに網を乗せて焼いた。
 煙がもうもうと出て、台所じゅうがけむりまみれになって、これからはもう、魚は焼かないぞと誓ったぐらいだったな、ハハ。

 それがさ、今年になって、それも今月五月の中旬に、何だか魚焼いて食べたいな、と思ってしまって、いやずっと思ってたんだけど、二十年前のあの煙もうもうが、魚を焼くのをためらわせていたんだけど、それがこないだ、スーパーで魚焼き用の網が偶然僕の視界に入り込んできてね、それでどうしてか自然に手が伸びて網を買い物カゴに入れてたんだ。

 あの日は網とサバとサンマを買って、焼いた。
 煙が怖かったから、入り口のドアを開けておいて、キッチンの窓も開けておいて、そうしたらうまいぐあいに風がドアから入ってきて、窓に抜けていくんだ。
 煙もその風に乗って、上手に外に出ていってくれたよ。
 その日の鯖も秋刀魚も、美味しかった。二十年ぶりに自分で焼いた魚の味は、生きててよかった! と思うぐらいの、味だったな。

 それが今日焼いたのは、…どうも、うまくいかなかったよ。
 まず、こないだと同じようにドアと窓を開けていたけど、風は吹いてこなかった。
 風って、自分の思うようには、吹かないんだねえ。

 だから台所は霧が降りたみたいに煙にまみれたよ。
 あわてて扇風機を持ってきてドアから窓に向けてスイッチ入れたけど、風は部屋の中だけでグルグル回ってるだけで、煙は上手に外に出てってくれなかった。

 今日買った魚は、丸干しのサンマと、腹に明太子を詰めてるイワシ。秋刀魚の丸干しって初めて見たから食べたくなって、そして鰯を焼いたのは僕、むかし母さんが焼いてくれたのしか食べてないからね。食べたくなったんだ。

 でも、美味しくなかった。
 イワシはイワシにしては大きくて、ニシンの味がした。これはニシンの間違いだろうと思ったよ。
 サンマのほうは、丸干しのだからだろうか、パサパサしてるし。

 でもまあ、そういうことも、あるだろな、と思って次回に期待します。
 今やっと、部屋の窓から、いい風が吹きこんできてるよ。

ラクをさせない、お天道様

 やるかやらないか迷ったら、お天道様が見てるよ、と思う。
 ラクを求めようとしてやらないで済まそうと、チラッとでも思ったら、
 いま僕をお天道様が見てるよ、と思ってしまう。
 そうすれば、やる。

 こういう性格は、しあわせには、なれないねえ、ハハ。

布団の中でブログ

いまベッドの中で書いてます。
 まいあさ四時に目が覚めるから。
 五月になってから、眠ってちょうど四時間たつと目が覚めるんだ。
 三十五すぎてから、春になると毎年こうだよ。
 二度寝しようとして目をつぶっても、うまく眠れるもんじゃないね。
 からだだけ休めようと思って、横になりながら、携帯でブログにメール投稿してる。

ブログ書かないことと、コメントの匿名性

 この何日か仕事でバタバタしててブログ書くエネルギーないから、数少ない好きなブログにコメント書いて回ってるよ。
 それはブログ書かない自分への、言い訳なんだろな。

 人様のブログにコメントするときは、ダガシの名前出すこともあるし、出さないで僕が誰だか分からないようにコメントするブログもある。
 それは去年の春から、喧嘩ふっかけるときはダガシと名前出すようにして、趣味みたいなハナシでまるっきり利害関係なしにコメントするときは、僕が誰だか分からないように匿名で書いてる(その前からコメントしてるブログには、ダガシの名前出すけどね)。

 それでももう、この何日かの僕には、人に喧嘩ふっかけるというか批判するエネルギーもなくなってる自覚あるから、その人を誉めたくなる人にだけ、コメントしてるよ。
 バイオリズムかな。
 今日は早く寝よう。

完全武装のダガシ

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 引越し清掃を始める一番最初は、この格好になるがあよ。
 水まわりや窓をする前に、家じゅうの天井から壁から障子のさんから襖から押し入れの中から建具のすみずみから、目に見えないぐらい細かいチリ・ホコリを払い落とすんだ。
 広い一軒家だと二日間この格好で汗だくらよ。
 両手に持ってるのは、長いのや短いのや、広いのや尖ってるのの、天井や壁専用のホウキです。

石山のキャベツで、かんらんの味思い出した

 きのう、陽の暮れどきに自転車で買い物にいったんだけど、寄り道して初めて通る石山のあたりの畑ぞいの道を走っていたら、パジャマ姿の小太りのおじさんが畑に入っていて、何かかがんでいるから何だろなと思ったんだけど、そのときはそのまま通り過ぎて、そうして帰り道でまたそこを通ったら、さっきのパジャマのおじさんが畑のわきにある自動販売機に、何かを入れてるところだったよ。

 それは野菜を売る自動販売機で、僕、そんなの初めて見たから、いやそういえばそういうのは今までもどこかで見たなあと思ったけど、まじまじ見たのは初めてだったから、パジャマのおじさんが販売機に野菜を入れるところを、自転車に跨ったまままたまじまじ見てた。
 そうしたらおじさんと目が合った。
 おじさんも僕も、どうしてかエヘヘと笑ったよ。
 僕、すみません、初めて見たので、すみません、見させてもらいました、と言って会釈したら、おじさんはまた、どうしてなのかエヘヘと笑って、どうぞ、と言った。

 パジャマのおじさんが向こうへ行ってから僕は、自動販売機のそばに行って中身を見たら、入れる場所は二十個ぐらいはあるのに、売り物が入っているのはたった三ヶ所で、下からほうれん草、その上に僕の初めて見る野菜で、あさづきの大きいのみたいなのの葉っぱ付きの野菜、そうして一番上に、おじさんが入れてたのはキャベツだった。
 僕はちょうどキャベツを買おうと思ってたのを思いだしたような気持ちになって、その100円と書いてある場所に百円玉を入れたんだ。

 そうしてさっきね、そのキャベツを切ったら、中からナメクジが出てきた。
 そして葉っぱと葉っぱの隙間に黒い点点がいくつもあって、それはナメクジのフンなんだな、と分かったよ、ハハ。

 だから流しの中に、水道を出しっぱなしにしながらキャベツの葉っぱを一枚一枚剥がして入れて、黒い点点を水で洗い落としていったよ。
 そんなの初めてのことだ。
 ああ、こんな汚いの買わなきゃよかったなあ、フンが付いてたこのキャベツは、ぜったい生では食えねえなあ、と思いながら、それでもまあ買ったんだから食べよう、とまたダガシの吝嗇が出て、キャベツの葉っぱ洗う手作業をつづけたよ。

 そうしてやっとキレイになった葉っぱを包丁で切ろうとしたらね、その包丁の手応えが違ったんだ。
 普通のスーパーで売ってるキャベツと違って、大袈裟かもしれないけど、なかなか刃が葉っぱに入らないくらい葉が固い感じ。
 初めての手応えだったよ。

 僕、キャベツ切りながら切った葉っぱを見てたら、どうしてか生で食べたくなってきてね、手をのばして葉っぱをちぎって口の中に入れてみた。
 それが、僕の歯に当たる葉っぱの噛みごたえが、なんだかこれも初めての感じ。
 いや、子供のころ家の畑でとれた、かんらんの味、あの緑色の濃い味を、おいしい味を、思い出したよ。
 かんらんって、あの頃キャベツをかんらんと言ってたんだよね。

 僕はブログに食べ物のことはあんまり書かないようにしてるんだけど、きょうは書いてしまった。
 そしてきのう、もう一つ食べ物のことでね、初めてのことあったから、また書くつもりだよ。

 今そのキャベツを麻婆豆腐に入れて食べてるんだけど、やっぱり美味しくて、あのパジャマ着た丸顔のおじさんが僕を見て、エヘヘと笑ったのを思い出しながら、食べてる。

高くても贅沢じゃないものはプライベートでも仕事でも

 今ダガシが自分で贅沢してると思ってるのは、トイレットペーパーかな。
 近くのスーパーで12ロールで448円で売ってるもんで、その店で一番高いのだよ。
 同じ12個入っていて200円ぐらいのもあるんだけど、前にそれ買って使ってみたら、コストを下げすぎたからだろうけど、紙がやわらかすぎるというか紙が薄すぎて、拭いててもね、拭いてる手応えがないんだもんさ、ハハ。
 あと他に、肉炒めしたフライパンを洗う前とかに、油をトイレットペーパーでふき取るようにしてるんだけど、そのときに安いトイレットペーパーだと、すぐ千切れてしまって使えないんだ。

 それに、安い値段と高い値段の違いは200円くらいだけど、一個あたりの値段の違いは微々たるもんだし、一回あたりで使う分量の値段の違いなんて、たぶん1円あるかないかだろうしさね。
 だから、何百円違っても、一人暮らしなら、いや一人じゃなくても、高い安いは関係なくなるだろうな、と思ってるんだ。

 そうしてそれは、僕が仕事で使う洗剤やワックスにも、当てはまるんだよさ。
 一回あたり使う分量は、それほどじゃないんだから、洗剤もワックスも、それに道具も、品質の良いものを高くても使うのが、結局は、お客さんにとっても僕にとっても、得になるんだろうな、と思ってるんだよ。

生まれてきただけでも良かった、と思いながら死にてえなあ

 こないだ家に帰ったとき、玄関の前にある盆栽の大きな鉢を動かすのを手伝いながら、父さんと話したんだ。

 この盆栽は、たぶん父さんよりも僕よりも、長生きなんだろねえ。
 うん、何百年も生きるさ。手入れさえしてればな。
 そうだ、父さんもいずれ死ぬし、僕もいずれ死ぬんだねえ。
 僕が死ぬときは、
 ああ、生きた生きた、良かった良かった、
 生まれてきただけでも、もうけもんだった、
 ああ、生まれてきて良かった良かった。

 長い短いじゃなくてさ、
 これまで生きさせてもらって良かった、良かった、
 と思いながら死にてえなあ。

 と僕が言ったのを聞いて、ハハハ、と父さん笑ってた。

今のお客さんを精一杯幸せに思ってもらえるように頑張ることかな

 もうちょっとしたら今年のエアコンクリーニングのチラシを作ろうと思ってるんだ。
 三月ぐらいから下書きは何回も書いていてね、ワープロでほぼ完成品は出来てるんだけど、あんまり早く配ってもタイミングが早すぎて忘れられるかなと思って、まだアイディアを練ってるところ。

 ところで去年の夏、新潟市で配られたエアコンクリーニングのチラシで、「3500円でエアコンクリーニングします。大手と同じやりかたで」、というチラシが入っていたよ。
 大手と言ってるのはダスキンのことなんだろうけど、そんな値段でまともなやり方が出来るわけないのに、ましてやダスキンなんかよりも丁寧な僕のやり方には、とうていかなわないだろうけどさ(あ、自慢になってるかなゴメン)。

 モノを右から左に動かすっていう、物販業じゃないんだから、大量生産できない、流れ作業も出来ない、知識と技術と手間と心意気を売ってる手間賃仕事が、安売りできるわけもないって事は、大人なら(二十五歳ぐらい過ぎた人間なら)分かると思うんだけどねえ。

 あとね、これも分かってない人間が多すぎるんだけど、安い給料、安い報酬(時給で換算すると900円以下ぐらいかな。…念のため言うけど、これはあくまで一般論であり、マスでとらえた考え方のことでだけど)でしか働けないような人間を(あくまで原則的な範囲のことだからね、…僕もしつこいな、ハハ)、そういうような人間を(あんまり具体的に書かないようにするけど、いや言うけど、まあ僕が新潟市の高校生を引っ叩いて逮捕された時の、その引っぱたいた相手のような人間のことさ)、そういう人間に、大事な自分の家に、大事な自分の部屋に、大事な自分の家具や物に、触られてもいいと、思えるのかな、ということなんだよね(カッコを取り払って読むと、すんなり読めるんだけど、そうすると強烈なことになるから、カッコの中で言い訳してるんだ、ヘヘ)。
 そういうガサツな人間が家の中に入ってくる嫌さを、想像しないのかな、と思うんだけどさ(ちょっと話がずれるけど、「女性ならではのきめこまやかなハウスクリーニングを行います」なんていう業者もあるけど、実際オンナがみんなキメコマヤカなわけがないのは、当の女の人が一番よく知ってるだろうに、と思うけどね、ハハ)。

 ただね、僕も独立したときに「4500円でエアコンクリーニングします」というチラシを撒いたから、あんまり人のこと言えないんだどさ。
 その4500円のエアコンクリーニングのやり方は、熱交換器にしか洗剤かけないで、そうして園芸用の噴霧器でチョロチョロ水ひっかけてクリーニングするってやり方だったから、しかも風の出る場所の送風ファンは何も洗わないやり方だったからね(それでも真っ黒い水は出るんだよ。3年も使ってるとアルミフィンにはカビが生えてるからさ)。

 僕はその当時、そのやり方しか知らなかったんだ。そしてそのやり方が、エアコンクリーニングのやり方だと思いこんでいたんだよ。
 それは掃除屋さんに勤めてた時に教わったやり方で、今から思えば、お遊びみたいなもんだったなあ、と反省してるんだ。

 だから、かかる時間も一時間も掛からなかったし、まるで簡単なやり方してたんだ。
 それで、簡単な機械で一時間しか掛からないんだから4500円ももらえばいいだろうと思ってさ。

 でも、その簡単なやり方じゃあ、エアコンの中の汚れは取れないってこと、独立してから自分でエアコンクリーニングの勉強していって分かってさ、だんだんやり方を研究していって改良していって、それで今の方法になったんだ(その4500円の簡単なやり方は、独立した当初の一ヶ月ぐらいの練習期間だけで、その後いろいろ勉強して、本当のお金もらったお客さんには、その簡単なやり方は、しないで済んだよ)。

 今のやり方は2時間はゆうに掛かるし、高圧洗浄機も使うし、洗剤も特別な植物性のを使うし、他に色々な薬剤使うし、あちこち手をかけるから、ホント汗だくになるもん。
 だから、うちのエアコンクリーニングは今、いちばん簡単なエアコンのモデルで最低12500円から受けてるけど、かかる手間を考えると、それでも安いなあ、なんて思っているけど、でも、よそよりあんまり高いと、頼んでくれる人もいないかもしれないから、12500円くらいが妥当かな、と思って設定してるんだけどね。

 そういえば前に作業で手が足りない事があって、その3500円でエアコンクリーニングしますという業者さんに、作業の手伝いを頼んでみようと思って電話してみたら、「この番号は現在使われておりません」というアナウンスが流れてた。
 業界の中に、安易に値段だけ下げる騒ぎを起こしておいて、出来なくなったらさっさと辞めてしまうそのやり方は、どうにかならんかなあ、と思うよ。
 その業者さんも、普通の新潟市民だったんだろうけど、だから僕は、新潟市の、そこらへんを歩いている一般の人間が、好きになれないんだ。
 もちろん僕がこんな事あからさまに書くのは、僕は、そこらへんを歩いている一般の人を、顧客対象にしてないからさ。何でも安けりゃいいと思っているような人をね。

 僕がしたいと思っているのは、エアコンクリーニングでもハウスクリーニングでも、受ける益と支払う対価のスジミチを分かっている人を、それはすなわち今現在の僕のお客さんのような人を、満足させて、幸せに思ってもらえるように、精一杯頑張ることだろな、と思っているんだよさ。

ラジオを聴く犬

 定期的に家事代行で伺っているお宅に家の中で飼っている犬がいてね、その犬君は犬種は知らないけどコリーの小さいので、鼻がすっととおってて、すごく賢そうな顔立ちの彼なんだ。
 その犬君は、白内障で瞳が白くなっていて、歩くのには杖が欲しいぐらいの足どりなんだけど、僕がその家の玄関とびらを開けるとさ、嬉しそうにしっぽを振って、爽やかな声でワンワンとほえて、出迎えてくれる彼なんだ。

 僕がそこのフローリングを這いつくばってタオルで拭いているとね、いつも犬君は僕のそばに寄ってくるんだよ。
 そうすると四つんばいになっている僕の顔と、犬君の顔の高さがちょうど同じになってね、いつも彼は、僕の息の匂いを嗅ごうとするみたいにして、僕の口もとに長い鼻を寄せてくるんだ。
 めずらしい匂いがするのかな。

 こないだいつものように玄関の上がりかまちにラジオを置いて、僕はラジオ聴きながら家じゅうのフローリングを拭き掃除してて、ふっと玄関のほうを見たらね、彼はいつのまにかラジオのそばに寝そべっていて、そうしてラジオのほうに顔を向けて、そうだ、あのビクターの犬みたいな顔で、アナウンサーの喋るのをじいっと聴いてたよ。

 犬くん、彼はもう、十七歳になるんだって。

春になると冬を越した猫を思い出す

 もうすぐ猫がサカリのときだね。
 そのあとはちっちゃい猫の子が、そこらへんを歩いてまわるのだろな。

 そういえば僕が精神病院に勤めてたとき、ご飯食べたあとの昼休みに、仲の良い患者さんたちとソファに座って喋ってると、窓の外のベランダに病院のまわりに住み着いてるノラ猫たちが、やっぱり僕らと同んなじように日向ぼっこしながらくつろいでたなあ。
 ときどき、にゃあ、なんて鳴いてね。

「俺たちの飲んでるクスリ、猫に飲ませたらどうなるかな」と患者さんが言うから、
「そうですねえ、猫、喋るんじゃないですか?」と僕が返事したら、ワハハと笑ってくれたな。

 患者さんたち、毎回の食事を少し残したりして、ベランダや窓ぎわに置いておいて、猫にやっていて、だから猫も食べ物には困らなかったんだろう、いつも二十匹ぐらい、病棟のまわりを歩いたり、じゃれあったりしてた。
 看護婦さんたちは、「猫に食べ物やらないで!」と怒ってたけどね、ハハ。

 そして野良でも、それも小さい生まれたての子猫でも、雪が積もった外で、囲いもない布団もない外で、冬を越すんだよ。
 それが、不思議だったなあ。

田植えが毎年ある、毎年ある

 きょう夕方、いっとき雨がザアッと降った。
 一週間ぶりぐらいの雨みたいに、感じたな。
 新潟市の街なかに見える土、きのうまではかんかん乾いてたよ。

 雨が降らなくても、田んぼには泳げそうなくらい水が張っていて、
 それは冬に、おお雪が降ってくれるから、なんだよね。

 稲は、これから水をいっぱい吸って吸って、
 土の養分もいっぱい吸って吸って、
 光も、空気の熱もいっぱい吸って吸って、

 これから僕の知らないうちに、
 また雨が降ったり、かんかん照ったり、
 暑くなったり寒くなったり、おお風ふいたりしてね。

 そうしてまた来年、また来年と、つながっていくんだよね。
 ずうっと、つながって、いくんだよね。

高所恐怖症を悟らせてくれた新潟遊園

 ダガシの高所恐怖症の始まりは、新潟遊園で観覧車に乗ったときからだと、はっきり憶えてるよ。
 父さんが「観覧車に乗ろう」と言ったのも、僕が「いやら、おっかない。それよりあの横に回るのがいい」と、名前は知らないけど長い紐に結わえられた椅子に一人ずつ乗ってビュンビュン振り回される乗り物を、指差したのも憶えてる。
 今から考えれば、そっちのほうがスピードにのって振り回されるから危ないろうにと思うんだけど、よっぽど高いとこに行くのが嫌だったんだろうね。いや今でもそうなんだけどさ。

 だけどけっきょく観覧車にむりやり乗ることになって、たしか僕と父さんと母さんが一つの箱に乗ったよね。
 そして僕らの前の箱に、僕より五つ六つ年かさの従姉妹のおねえさんが、その家族と乗った。
 そのいとこのねえさんは、神奈川の娘で、神奈川の親戚が遊びに来て、新潟遊園というのがあるから、一緒にその遊園地に行ってみようということになって、行ったんだっけね。

 いよいよ観覧車が宙にフラフラ浮いていって、空中にさまよってる感じの時に、やっぱり僕は泣いて泣いて、父さんと母さんを困らせてたね。それも憶えてるよ。
 そしてそのダガシが大泣きしてるときにふと上を見たら、神奈川の従姉妹が前の箱からニコニコしながら、「ダガちゃーん」なんて言いながら下の僕に手を振ってるのが見えるんだ。

 どうしてあのオンナは怖くないのだろ? 笑いながら嬉しそうに俺に手を振って、何か俺に嫌がらせしてるのかな? なんて思った憶えも、あるんだ、ハハ。
 あんな可愛らしい顔してるのに(大人になってとっても美人になった従姉妹なのに)、空中で、俺に、手を振るなよ、よせよ、何考えてるんだよ、と思ったな。

 そうして、すぐそばで、手を伸ばせば届きそうなところで手を振ってるのが見えて、でも同時に、手を伸ばしても絶対に触われないんだという実感もある、不思議な感覚だったな。
 ダガシはまだ、保育所にも行ってない頃だよね。

 その新潟遊園って、新潟市の寺尾にあったんだということ、つい去年の年末に知ったんだ。

春の夜の色見たら、夏祭りのこと思い出した

 窓を開けておいても寒くもなし暑くもなし、虫や何か嫌なものが入らないですむ季節は、いまごろと十一月の天気がいいあの頃だね。

 いまちょうど夜の真っ盛りで、そして窓開けてるけど、前書いた憶えあるけど、秋口になると、夜の色が黒くなるけど春のいまごろも窓の外が黒いんだな。

 あ、
 いま思ったけど、それはただ、月が新月だからかな。
 大昔読んだ本で、夜の空って月の始まりは新月で、十五日ごろが満月なんだと。
 だから夏祭りの花火は月はじめで、盆踊りはお盆に合わせてるんだと。

 まあ、それはそうであっても、この今見てる窓の外の夜の色は、黒すぎるなあ。

身体の暖房スイッチ切り替えどき

 五月になったとたんに暖かくなって、カーディガン着てると暑いくらいだね。

 これも季節の変わりめっていうのかな。

 まだ、汗をいっぱい出せる体にきりかわってないから、胴体の芯に片付け忘れたストーブが入ってるみたいな感じら。
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