福島原発に水を注入する任務で結果を出した、東京消防庁の特別部隊の記者会見を観た。
その三人の責任者の、仕事の結果を出した男の、疲労もあるけれど、その疲労は気持ちのいい疲れだという爽やかさあふれる顔つきを、見せてくれた。
その喋り方は、何かを誤魔化そうとするような回りくどいヘンな修飾語を使わずに、箇条書きのような素直な短い文を重ねて、ごまかしのない伝え方で、これも爽やかで気持ちがよかった。
それはとても分かりやすくて、それは結果を出す男たちだけが使う、伝達するということを最大限に目的化した言語なのだ。
そういうすがすがしい言葉と、結果を出すための手段を遂行する綿密な計算を頭の中に持ち、運動神経と持久力と、勇敢な行為をする、心と体を持つ彼らの顔は、誇りに満ちたサムライの顔だった。
東京には、この大事なときに買占めなどをするイナカモノも大勢いるが、でもやっぱり東京には、頭脳も、精神も、肉体も、人間として優秀な人が集まっているのだなと、東京がちょっぴりうらやましくなった。
私の三十半ばまでの、激しい東京好きを、思い出した。